タイトルを見てびっくりされた牛タンフリークのみなさん。
冗談で言っているわけではないですよ。
なぜならアメリカ産牛肉の先物価格が出たからです。
今回の先物は2021年の9月10月入荷分なのですが、牛タンの価格が私が知る限り過去最高値をつけました。
1年前から考えると2倍以上の価格が付いてます。
焼肉屋さんの牛タンの価格が2倍になっても注文しますか?
スーパーマーケットの牛タンの価格が2倍になっても買いますか?
そんなに高くなったら買えないよー
今食肉業界では新時代への過渡期に入っていると私は思います。
需要と供給のバランスが崩れ、今後外国産牛肉を巡って新興国との奪い合いに発展するのではないかと懸念しています。
さて、今回はそんな渦中の牛タンについてより詳しくなっていただきたいと思い、パソコンに向かいました。
単に、牛タンと言っても様々な特徴があります。
産地によって育成方法の違いがあり、味も変わってきます。
カット方法によって価格がガラリと変わってしまう点などを紹介していきます。
牛タン~産地の違いで味が変わる?~
間違いなく変わります。
びっくりするくらいに!
わかりやすく比較するならオーストラリア産とアメリカ産です。
この2つの国には異なった育成方法があります。
まずオーストラリアです。
こちらの国では仔牛は皆牧草を食べて育ちます。
一生涯牧草を食べ続ける牛をグラスフェッドビーフといいます。
グラスフェッドビーフはダイエットや健康の本に良く書いてある健康食です。
なんて言ってもオメガ3脂肪酸を多く含み、ビタミンEも豊富に含んでいます。
また、そんなグラスフェッドビーフの牛乳で作ったバターは栄養価が高く、高価です。
ここまで聞くと、グラスフェッドビーフのタンはさぞかし美味しいのだろうと思ってしまいますよね?
グラスフェッドビーフのタンは不味いです!
焼肉屋さんでこれを提供したら、美味しくないとクレームが来るくらいです。
対してアメリカ!
アメリカ産牛肉は仔牛の時からずっと穀物を食べて育ちます。
よって肉質はジューシーで程よい甘みも味わえます。
タンも同じくですね。
穀物を食べるか否かでこんなにも美味しさに違いが出るとは!
本当にびっくりです。
食べ比べたらはっきりわかります!
オーストラリアグラスタン<アメリカタン
これで終わりではありません。
オーストラリアにはグレインフェッドビーフがいます。
その名の通り穀物(グレイン)を食べて育った牛です。
オーストラリアでは仔牛の時代は牧草を食べて育ちます。
しかし良い血統の仔牛や良い育てがいる農場の仔牛は高値で売買され、穀物を食べて育てるフィードロットに連れてこられます。
そこで一定期間穀物肥育をして、美味しい牛肉になっていくのです。
このグレインフェッドビーフのタンはアメリカ産のタンよりも美味しいとよく言われています。
事実私もそう思います。
私なりの見解を申し上げるなら、仔牛時代に牧草を食べていたことで、穀物肥育になって体がびっくりした(簡単に言うとリバウンドのようなもの)のではないかと思っています。
より脂肪交配が進みアメリカ産よりジューシーになっているということです。
このように産地が異なると育て方が違います。
よって味もジューシーさも変わってきます。
カットの違いで価格が変わる?
もちろん変わります。
タンは皮を剥いたあと、タン先、タン中、タン元、タン底に分けることができます。
霜降りが1番多いところがタン元(タン芯)です。
ここだけを提供しているお店のタンは自ずと高くなりますよね?
約1.2キロのタンから300グラムしか取れないタン元。
タン元にタン底をつけた状態で提供すればどうでしょう?
タン元だけより安くなりますよね?
このように歩留まりによって価格の違いが出てきます。
お店によって提供の仕方はいろいろ!
マスターの修行の場所によってカット方法が違うのかもしれませんね。
世界一高いタンは和牛黒タン
黒毛和牛の黒タンが世界一高い!そして美味い!
しかし、なかなか取り扱っている焼肉屋さんも少ないです。
理由は2つ。
数が少なく定番メニューに置けない。
高価過ぎて需要がないかもしれないと思ってしまう。
だいたいこんな感じです。
お店で見つけたら一度は食べるべき存在です!
まとめ
いかがでしたか?
牛タン1つでめちゃめちゃ学べますよね?
牛タンは産地だけ見てもたくさんあります。
日本、アメリカ、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド、チリ、アイルランド、ニカラグア、イギリスなど。
しかし現在、様々な国に「牛タン」が認知され、美味しいと求められ初めています。
世界経済が成長していく中、日本の立ち位置はどう変化していくのか。
いずれ来る食物危機に備え、私たちはどう行動すればよいのか。
難題が山積みです。
あー先物どうしよう!
それではまた。