いつも満席で、予約を取らないと入れない焼肉屋ってありますよね?
私も数々の焼肉屋に卸していますが、同じ商品を使っていても
売れている店と売れていない店に分かれてしまうことを不思議に思っていました。
では何故正反対の結果になってしまうのか。
立地?
客層?
価格?
品質は一緒。
答えは何だと思いますか?
それは愛です。
お客様に対しての愛!
お客様に美味しく食べてもらいたい、満足してほしいという愛です!
売れている焼肉屋の愛のかたち
ここで言う愛とは「お客様に満足していただきたい!」という気持ちからの施しです。
個人経営の焼肉屋はお客様との距離が近いです。
常連さんの顔を覚えていたり、いつも頼む物を覚えていたりもします。
常連さんになると何かとお得で、良い品の中でも良いところを提供してもらえたり、案内してもらえたりします。
「今日は極上の黒タンが入ったから食べて行きなよ」
とか、逆に
「今日の上カルビは特上より良いから、上を食べた方がお得だよ」
なんて案内されたりします。
自分の儲けだけではなく、お客様の得を優先することもよくあります。
ここから、とある焼肉屋の社長の話をします。
私は社長に質問しました。
「なんでこのお肉はこのように切っているんですか?」
普段常識では切らない切り方でお肉を切っていたので。
すると社長は
「この前お客様がこのお肉を食べているときに堅そうに噛んでいたんだよ。だから切り方を変えて自分で食べてみたら、こっちの方が柔らかく噛めたから」
今までのやり方も、もっと良い方法があると変えてしまう柔軟性。
お客様の満足のために。
ある時、増税にともなって、ほとんどの店はメニューの価格改定をしました。
私は聞きました。
「社長!増税後の価格はどうされるんですか?」
社長は答えました。
「変えないよ。もう家のローンも無ければ、老後の貯蓄も若い頃からちゃんと準備してたからもう充分!来てくれるお客様に還元って形で。」
普段から安いと思っていたのに。「神!」
コロナでも予約を入れてくれるお客様の数を見て
「ありがたいね、ありがたいね」
と、こぼしていました。
お客様愛が強い焼肉屋さんです。
そして社長は業者のことも常に考えてくれています。
コロナで飲食店が打撃を食らったとき、政府から時短協力金の話がでました。
気兼ねなく休むお店が出てきた中、社長は休むどころか普段やってない弁当の販売を始めました。
メニューの値段で、ご飯付き。
1日200個も売れるようになりました。
私は社長に聞きました。
「弁当が売れるようになってよかったですね」
すると社長は
「人件費考えたら赤字だよ。でも商品を回していかないと君たちが困るでしょう!」
涙が出そうになりました。
飲食店の売上が激減しても給付金のない卸業は大打撃を受けていましたので。
さらに私は聞きました。
「時短になって、従業員さんは給料減って大変でしょうね?」
すると、社長は
「みんなにも家族がいて、生活があるから給料は今まで通りだよ。こんな時のための蓄えだしね。」
社長はお客様だけではなく、業者や従業員のことも考えてくれていました。
全体にとって何が良いのかを考えて、行動していました。
商売の原理原則「三方よし」売り手良し、買い手良し、世間良し。
社長の中にそれを見ることができました。
まとめ
いかがでしたか?
商売において利己的な人は必ず廃れる。
いかに利他的に物事を考えられるかが重要になってきます。
社長の愛によって、お客様は何度も通う常連さんに。
業者は社長が困っていたら、必ず助けるという意志を。
従業員は社長の懐の深さに触れ、ついて行こうという決心を。
ピンチのときこそ、その人の本質が出てきます。
いざという時に人のために動ける人間になりたいですね。
それではまた。