焼き肉を食べたくなる季節になりましたね。
夏、スタミナ、焼き肉!
行きつけの焼き肉屋なんてありますか?
私は決まっていません。
納品に行く立場なので納品ついでにランチを食べたりします。
よく思うことがあります。
何でカルビというメニューの商品なのに、仕入れる商品が店舗によって違うのか。
ここで質問です。
カルビってどこの部位でしょう?
サシの多いもの=カルビ?
サシの多い、または強いものがカルビと認識している人が多いです。
カルビとは本来アバラを意味する言葉です。
つまりバラ肉ですね。
トモバラという部位です。
ここでトモバラという部位がさらに細分化されます。
それを紹介します。
1 ヘッドバラ(サシが派手できれいな霜降り。上カルビ)
2 カイノミ(赤身寄り、ヒレのお隣さんなのでとにかく柔らかい。上カルビ、上ハラミ、カイノミ)
3 インサイドスカート(バランスがよく歯ごたえもある。たまにハラミで出している焼き肉屋もあり、並カルビ、上カルビ)
4 ササミ、フランク(細かいサシで味わい深い上カルビの代名詞的存在。上カルビ)
5 タテバラ(細かく強すぎるサシ、くどいと感じるが甘い旨味に酔いしれることも。上カルビ、特上カルビ)
6 リブフィンガー、バラ山、ゲタ(あばら骨のところ、旨味が特に強くご飯が進む君です。中落ちカルビ、並カルビ)
7 カブリ(地味に堅い、サシが強い。並カルビ)
8 ナカバラプレート(堅い。並カルビ)
9 ナナメ(サシは強いが薄っぺらい。並カルビ)
10 カッパ、フランケン(とにかく堅い。煮込んでスープの出汁に)
10種類もあります。
特上から並カルビまで全カルビを制覇できるポテンシャルを持つこのトモバラですが、カルビ界から消えつつあります。
1枚35キロ~45キロのトモバラ
なんて言ったってでかい!
重い!
そんなに売れるかい!
トモバラはポテンシャルの良さの代わりに在庫多過をもたらしてしまう。
そして歩留まりの悪さ。
歩留まりとは、全重量から商品化できる重量を割った数字です。
つまり40キロのトモバラを捌いて商品にできる重量はおよそ半分の50%と言われています。
半分脂です。
その作業効率を考えてもトモバラはちょっと遠慮します!という焼き肉屋さんも増えています。
もちろんスペックされた(商品化された状態)ものもありますが、手間賃がかさみ単価が上がるのが現状なのです。
では今、焼き肉屋さんはカルビをどこの部位でで提供しているのか?
進化するカルビ
カルビで提供ランキング
1位 リブロース
リブロースはすき焼きというイメージが強い部位です。
しかしながら、その強いサシを見るとどうしてもカルビを連想してしまいます。
リブロースも5分割できます。
カブリ(カブリ界のディープインパクトと呼ぶべき存在、強すぎるサシの先に特上カルビを見させる)
リブシン(リブロースの真ん中、サシの善し悪しに関わらず柔らかさマックス。上カルビ)
マキ(リブシンを優しく包むような形で巻いている、独特のサシの入り方で濃厚な味わい。上カルビ、特上カルビ)
エンピツ(リブシンとマキとの間に存在し、中立国家のスイスのような立ち位置。エンピツ)
ゲタ(中落ちカルビ)
リブロースの重量は7キロ~10キロ。
トモバラとのサシの差はあまり無く、お手軽に使える重量が好まれる要因です。
2位 ザブトン(ハネシタ)
ザブトンはカタロースの1部でサシの強さは上カルビ~特上カルビ。
重量は4キロ~5キロ程度。
使いやすい!
3位 トモサンカク
トモサンカクはシンタマというモモの部位の1部です。
モモというと堅くて赤身というイメージですが、トモサンカクはそのイメージを180度覆します。
サシが強すぎる!本当に強すぎる!
が、しかしモモというハンディキャップを抱えている分、見た目によらず全然くどくないです。
アッサリ食べられます。
おわりに
今、焼き肉屋さんは自分の店に合った1番のカルビで勝負しているはずです。
カルビはこの部位しか使ってはいけませんという法律は無いです。
出てきたカルビを見て、そのお店のオリジナリティを感じ取れるようになったら、あなたも変態の仲間入りです。
「これは○○ですね」と言いあえる焼き肉仲間をもっと作って行きたいですね。
それではまた。