安いニッポン「価格」が示す停滞、という書籍を見ましたか?
オリエンタルラジオのあっちゃんが提供する、YouTube大学で紹介された書籍です。
この放送を見てすぐにアマゾンでこの本を買ってしまった。
なぜそんなにこの本に興味をそそられたかと言えば、
食肉の業界でまさしく今この現象が起こっているからです。
日本が貧困国になり始めている。
最近あらゆる物の価格が高騰していることにお気づきでしょうか?
ガソリン、ガス、肉、魚、木材までも価格が上がっている。
なぜ価格が上がっているのか?
需要が供給を上回っているからだ!
過去10年で価格が2倍以上に!
価格の安い提示や薄利多売は「企業努力」ともてはやされ、日本の代名詞となっている。
私はこの言葉が大嫌いです。
本当は
企業が努力しました。もっと利益を!
であるべきだ。
私が入社した当時の商品の価格は今の3割から5割安かった。
もちろん商品にもよる。
デンマーク産の豚バラ肉、アメリカ産の牛バラ肉、オーストラリア産の牛モモ肉
それぞれ
豚バラ500円→850円
牛バラ500円→1300円
牛モモ500円→1300円
特に高騰率が高い物にフォーカスしているが、なぜこんなにも価格が変わってしまったのか?
答えは1つ!
需要が供給を上回っているからだ!
新型コロナウイルスが流行る2019年末、それぞれの商品の先物価格が未だかつて無いほどに高騰し、大手商社も買うか見送るか判断しかねていた。
急激な価格上昇に対応しきれない問屋は国内にある、まだ安い商品をかき集め始める。
2020年になりいよいよ値上げ到来というタイミングで、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた。
緊急事態宣言により飲食店の時短要請
学校閉鎖による給食の停止
様々な要因により、値上げどころではなくなってしまった。
逆に行き場を失った商品たちは在庫に滞留し、業者はわれ先にと投げ売り合戦が始まってしまった。
高く買って安く売る。最悪の状態になった。
しかしそれは日本国内だけに留まらず、世界各国でも始まっていた。
つまり物価の下落が価格高騰を相殺してしまったのだ。
それから1年。
今まさに価格高騰真っ只中だ。
世界の先進国はワクチン接種率50%以上を誇る中、日本は?
世界が動き出す中、未だに蔓延防止により、商品の流れが滞留している。
いつ抜け出せるかわからないトンネルを走っているような気分だ。
それにしても商品の価格が上がりすぎているという思いが常にあった。
日本は世界に誇る経済大国で、GDPも世界第3位だ!
こんなに経済に恵まれている日本がなぜ他国に買い負けてるんだ?
そもそも、なぜ他国はこんな価格の商品を平気で買えるんだ?
日本よりも貧乏な国なのに?
?
?
この考えがそもそも間違っていた。
日本の成長、他国の成長
日本はバブル崩壊とともに低迷。
人口も減少。
それでも日本は世界から見ると豊かな国だ。
メイドインジャパンは世界から大量のインバウンドをもたらし、爆買い!爆買い!
「おもてなし」精神で行き届いたサービス。
誇らしい!日本人であることが誇らしいぜ!
と、私自身思っていました。
違ったんです。
日本が聞こえの良い文言にあぐらをかいて座っているうちに、
他国は成長して日本をぶち抜いていたのでした。
特にその成長率著しい「中国」
未だに精肉店の70代の社長らは「中国は偽物だらけの国、挽肉に段ボール混ぜてかさ増しして食べる国だろ!コロナウイルスばらまきやがって!」
なんて言ってます。
情報は取りに行かないととはよく言ったもので、
いつから情報が止まってるんですかレベルでびっくりしました。
「社長!YouTubeで中国、深センで調べて見てください!もう馬鹿にできないほど進んでますよ中国は!」
食肉業界でもこの中国の爆買いは止まらない。
中国で流行ったアフリカ豚コレラは感染力が強く、致死率も異常に高い。感染したらほぼ死に至ると言うほどの豚感染症だ。
これが中国の台所事情を混乱させた。
感染が止まらず大量の豚を処分せざるを得ない中国は輸入に目を向けた。
中国の爆買いが始まった。
12億人の消費量は予想以上だった。
ヨーロッパの豚肉、アメリカの豚肉牛肉、オーストラリアの牛肉。
それぞれのマーケットに中国が来たことで相場が荒れた。
価格よりも量!
量を求めている中国は他国が買う価格以上で買い始めた。
すると各国、中国優先の商売を始めてしまった。
もちろん営利目的なのでしょうがない。
しか中国の買値が価格の基準になったことは事実である。
世界人口の増加
世界の人口は増え続けている。
10年ちょっと前にに良く聞いていた九州男の「1/6000000000feat.C&K」
あの時は60億人だった。
今は?2020年に世界人口は78億人を超え、まだまだ増加傾向だ。
このまま人口が増加していってはたして世界の食糧問題はどうなるのだろう。
ここ何年もその懸念が頭から離れなくなっている。
培養肉、大豆ミートなどお肉の代替え品は少しずつでてきてはいるが今の消費量を賄える圧倒的な量が不足している。
そして価格も割高過ぎていて、家庭の食卓に出るまでに時間がかかるだろう。
しかし電気自動車が最近安くなってきたように、生産ラインや、技術の価格競争が始まれば、これらの代替肉も値が下がってくるだろう。
これから起こるであろう人口増加と食料危機は世界共通の問題になっていて、もし食料の奪い合いが起こればすぐさま日本は取り残されてしまうだろう。
その時のためにすべきことは、
価格に捕らわれないこと。
輸入に頼り切らないこと。
値上げは自分たちのためと捉えること。
まとめ
値上げをすれば消費が落ち込む。
消費が落ちれば値下げをせざるを得ない。
すると企業は薄利になる。
従業員の給料が下がる、上がらない。
高い物を買えなくなる。
と言う具合に、負のスパイラルに陥ってしまう。
他国は
値上げする。
消費者はそれを買う。
企業が潤う。
従業員の給料が上がる。
高くなった物が買える。
このように、WINWINのスパイラルにある。
物価が上がっても給料も上がることで誰も困っていないように思われる。
日本もこの正のスパイラルに乗れるように意識改革していく必要があるのではないでしょうか?
それではまた。